[ざっくり]PPAPとは?自動車業界用語[海外営業7年目が初心者に教える]

自動車業界用語
PPAPについて勉強したい人
PPAPについて勉強したい人

・PPAPって何なの~。

・生産部品承認プロセスってなんだよ~?

・さっぱり分からないよ~

こういうPPAPに関する疑問へのこたえを、ざっくり現役海外営業が説明しています。

本記事の内容

この記事を読むと、PPAPがざっくり何なのか理解できるようになります。

結論は、PPAPとは量産の準備が整った事を確認する活動のことです。

この記事を書いている人👦:千葉さん

✔ 自動車部品メーカー勤務
✔ グローバル営業職
✔ 担当売上10億円
✔ 社内で英語の先生
✔ 主な出張先:アメリカ、ドイツ、中国

初心者向け、PPAPとは、ざっくり言うと何?


自動車業界でよく使われる言葉に「PPAP」という言葉があります。


PPAPとは、ざっくり言うと、サプライヤーの量産の準備が整った事を確認する活動です。


Production Part Approval Processの頭文字をとってPPAP。


読み方は一般的には「ピーパップ」です。


直訳は「生産部品承認プロセス」です。


「生産部品承認プロセス」 と言われてもわけ分からんです。


ざっくりPPAPとは何か解説していきましょう。

PPAPでやることを超簡単にするとこんな感じです。👇👇👇

<span class="fz-20px"><strong>サプライヤー</strong></span>
サプライヤー

こういう材料を使って、

こういう作り方で、

こういう製品を作ります。

承認お願いします。       

<span class="fz-20px"><strong>顧客</strong></span>
顧客

どれどれ、材料よし、

作り方よし、

製品の品質もよし。

よし、承認しよう。

再来月から量産をお願いします。

という感じです。



イメージ的には結婚式の誓いの言葉に近いものがあるかもしれません👰

PPAPは結婚式の誓いの言葉?

結婚式の誓いの言葉でイメージするPPAP👇👇👇

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん

 まずは、サプライヤーに聞きマース。

 サプライヤーは、顧客要求をよく理解し、

 健やかなるときも、病めるときも、想定外が起きたときも、

 キャパシティギリギリの数量を生産しないといけないときも、

 安定した品質の製品を納品する事を誓いますか?
 

 
 

<span class="fz-20px"><strong>サプライヤー</strong></span>
サプライヤー


 はい。誓います。
    

 
 

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん

 ヨロシイ。

 では、サプライヤーは、誓いの証として、

 PPAP資料と、製品サンプルを顧客に提出しなさい。

 
 

<span class="fz-20px"><strong>サプライヤー</strong></span>
サプライヤー

  
 はい。こちらがPPAP資料と、PPAP用の製品サンプルです。 
    

 
 

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん

 つづいて、顧客企業に聞きマース。

 顧客は、サプライヤーからPPAP資料と製品サンプルを受け取り、
 中身をひとつひとつ、確認しましたか?

 
 

<span class="fz-20px"><strong>顧客</strong></span>
顧客

 
 はい。確認しました。 
   

 
 

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん

 ヨロシイ。

 では、顧客は、この材料、工程、品質で
 サプライヤーが量産を開始する事を認めますか?
 

 
 

<span class="fz-20px"><strong>顧客</strong></span>
顧客

 
 はい。認めます。 
   

 
 

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん


 それでは、誓いのキッスのかわりに、

 両社、PSWにサインをしてください。
 

 
 

<span class="fz-20px"><strong>サプライヤー</strong></span>
サプライヤー


 はい。
    

<span class="fz-20px"><strong>顧客</strong></span>
顧客

 
 はい。
  

 
 

<span class="fz-20px"><strong>神父さん</strong></span>
神父さん

 PSWに両社のサインがされました。

 たった今この瞬間、サプライヤーが顧客企業へ、

 量産品を納品する準備が整った事が承認されました。

 
 両社の末永いwin-winの関係がつづくように、

 皆様、大きな拍手で祝福してくだサーイ。
   

 
 

と、結婚式の誓いの言葉でイメージするPPAPはこんな感じです👆👆👆


結婚式の例では、サプライヤーは誓いの証、PPAP資料と製品サンプルを簡単に提出していたようですが、実際には18もの資料やサンプルを用意する必要があります。

※18の資料には製品サンプルも含まれます。英語で「element」と書かれているものを便宜上「資料」と表現しています。

なぜPPAPが必要なの?

PPAPが必要な理由を簡単にいうと安全安心立ち上げ実現のためです。

APQPの記事でもAPQPは安全安心立ち上げのために必要だと書きました。

PPAPはAPQP活動のクライマックスです。

APQP同様、PPAPの目的は安心安全立ち上げです。

PPAPがあることによって、抜け漏れなく量産の準備が整っている事を確認することができます。

あ!図面が最新版じゃない!

あ!不具合の予知予防が不十分だった!

あ!生産キャパシティが全然足りなかった!

あ!測定方法が適切じゃなかった!

こういった抜け漏れをPPAPを確認することで防ぐ事ができます。

PPAPはいつやるの?

PPAPは基本的には、新たな製品の量産を始めるときに行います。

しかし顧客は製品が生産されている限りいつでもサプライヤーにPPAPを要求できます。

既存の製品でも工程を変更する時にも行います。

なかには毎年既存製品のPPAPを要求してくるような企業もあります。

PPAPで必要な資料(elements)は?

「PPAPとはざっくり何?」の最後の方で18個もの資料やサンプルを用意すると書きました。

はじめのうちは18個覚える必要はありません。
 ・PSW
 ・PPAP用製品サンプル
 ・その他16個の資料

と、ざっくり3つの分類で覚えられれば問題ありません。

全部覚えたい方は、「初心者向けPPAPの18個の資料やサンプルとは」を参照。

この記事ではPSWとPPAP用製品サンプルについて詳しくみていきましょう。

PSWとは

日本語で考えると逆に分からなくなるので、PSWという新たな概念として覚える事をおすすめしますが、一応触れておきます。

PSWとは「Part Submission Warrant」の略で、日本語訳は「部品提出保証書」です。

読み方は「ピーエスダブリュー」です。

PPAPで提出する18の資料やサンプルを代表する役割を持つ資料がPSWです。

PPAPで最も大事な書類がPSWです。

サプライヤー、顧客ともにPSWにサインをします。

PSWに顧客のサインをもらえれば、晴れて量産品を生産する準備が整っているとお墨付きをもらったことになります。

あとで触れますが、PPAPは簡易な提出で済むレベルもあります。

ですが、最も簡易なレベルでも要求されるのがPSWです。

PSWはそれくらい重要な書類です。

まずはPPAPで一番重要な書類がPSWと覚えておけばOKです。

PPAP用製品サンプルとは

PPAPサンプルは、
 ・量産時と同じ材料を使って、
 ・量産時と同じ生産ラインを使って、
 ・量産時と同じタクトタイムで、
 ・量産時と完全に同じ条件で生産された
製品のことです。

PPAPサンプルと同じ品質の製品を量産では納品する事を約束する製品サンプルがPPAPサンプルです。

数量は顧客が指定します。

PPAPのレベルとは

顧客は製品を生産しているかぎり、いつでもサプライヤーにPPAPを要求できます。

要求される度、毎回18個の資料やサンプルを提出していたら提出する側、確認する側ともに膨大な手間になります。

手間を必要最低限におさえるために、1~5のレベルが用意されています。

PSWだけの提出でよいレベル1から、オンサイトでの監査まで要求されるレベル5まであります。

レベル3のPPAP提出+オンサイト監査というパターンがスタンダードのようです。

自動車部品会社の営業職をしていて一番うれしいのは新製品のサプライヤーとして選ばれたときです。

一番ホッとするのはPPAP活動が完了してサイン済みのPSWを受領したときです。

まとめ

PPAPはサプライヤーの量産の準備が整った事を確認する活動です。

PPAPはAPQP活動のクライマックスであり、安全安心立ち上げが目的。

PPAPは新たな製品の量産を始めるときに行う。

PPAPでは、PSW、PPAP用製品サンプル、その他16個の資料、合計18の資料やサンプルが必要

PSWはPPAP資料の表紙。

PSWのサインは量産準備が整ったお墨付き

ここまで分かっていれば、初心者としては十分でしょう。

それぞれの会社ごとのクセがあると思うので、実際に業務をこなしながら理解を深めていきましょう。

他にも自動車業界用語をグローバル営業マンの視点からざっくり簡単に解説した記事を用意しています。
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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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(livechiba.com)

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