・特殊特性って何なのかさっぱり分からないよ~。
・Special characteristicsってなんだよ~?
・隠れキャラみたいなもん?
今回のブログはこういった事を思っている方に向けたブログです。
本記事の内容
この記事を読むと、Special Characteristics/特殊特性がざっくり何なのか理解できるようになります。
結論は、Special Characteristics/特殊特性とは、ざっくり言うと、「生産する際に特に気を付けてほしい重要なポイント」のことです。
この記事を書いている人:
千葉さん
グローバル営業マン
本業は自動車部品メーカーの営業7年目。
アメリカ、ヨーロッパ、中国を飛び回りビジネスをしています。
担当案件の売上は入社時に数千万円/年だったものが6年後の現在約10億円/年。
中・高・大学の学校での学習に加え、10年以上の英語学習経験。
会社では英語初心者の為の社内研修の講師も行っています。
初心者向けSpecial Characteristics/特殊特性とは、ざっくり言うと何?
自動車業界でよく使われる言葉に「Special Characteristics/特殊特性」という言葉があります。
Special Characteristics/特殊特性とは、ざっくり言うと、「生産する際に特に気を付けてほしい重要なポイント」のことです。
【Special Characteristics/特殊特性に指定されるポイントの例】
・安全性に関わるもの
・法律や規制に関わるもの
・完成品の性能に関わるもの
などがSpecial Characteristics/特殊特性として指定されます。
IATF16949にも載っています。
Special Characteristics/特殊特性 の目的は?
Special Characteristics/特殊特性の目的は、「生産する際に特に気を付けてほしい重要なポイント」を生産者に伝える事です。
ざっくり解説しましょう。
自動車業界では、OEMや、Tier1、Tier2の顧客から部品の図面が提供される事がよくあります。
サプライヤーは顧客から提供された図面をもとに部品を生産する準備をします。
サプライヤーは自分で描いた図面ではないので、どこが完成品の品質に大きく影響するのか判断がつきません。
そこで、Special Characteristics/特殊特性の登場です。
重要な箇所にSpecial Characteristics/特殊特性のマークを付けで作図します。
・ここに不良があると動かないよ!
・ここに不良があったら事故に繋がるよ!
・ここの寸法が出ないと人命に関わるよ!
という内容をサプライヤーに伝える事が目的です。
図面や文書に書いているだけではサプライヤーの理解が不十分な可能性があるので、顧客がサプライヤー側に発注する前にSpecial Characteristics/特殊特性に設定した意図や背景、逸脱した場合の影響について情報をインプットする機会が設けられます。
Special Characteristics/特殊特性はどうやって決まるの?
どのポイントをSpecial Characteristics/特殊特性に指定するのか、どのように決めるのでしょうか?
Tier2, Tier3 企業であれば、特殊特性は顧客から指定されているものに従う事が多いでしょう。
ではTier1や自動車メーカーであるOEMは、Special Characteristics/特殊特性を決めるときはどのように決めているのでしょう?
Special Characteristics/特殊特性を決める際は技術部や品質管理部だけなどの特定の部署だけではなく、部門横断的にリスク分析をして、決定します。
不具合の影響度、不具合の発生頻度、過去の不具合や、クレームなどをもとに決定します。
FMEAの手法(不具合の予知の手法)を使って洗い出すと考えていいでしょう。
Special Characteristics/特殊特性に指定されたポイントに対して何をしたらいいの?
Special Characteristics/特殊特性には特別なマークを付ける。
Special Characteristics/特殊特性はと~っても大切なポイントです。
なので、設計する人、生産する人、検査する人、など、
製造に関わる全ての人が理解できないといけません。
そのため、社内で共通認識を持てるSpecial Characteristics/特殊特性マークを設定します。
そしてそのマークを、社内図面や、社内の手順書、仕様書などの、該当のポイントがでてくる箇所に書くようにします。
どういうマークにするかは各社各様です。
いろんな会社向けの部品を生産する場合、例えば、
・A社のSpecial Characteristics/特殊特性マークは「▽」、
・B社のマークは「㋣」
という事が起こりえます。
これらのマークをサプライヤーが使用する場合、A社向けの製品と、B社向けの製品で異なるマークを特殊特性マークにすることになってしまいます。
これは問題です。
A社向け製品を担当していた作業者を、B社向け製品のラインに異動した際、その作業者は「㋣」をSpecial Characteristics/特殊特性マークとして認識しない可能性があるからです。
・・・ある日・・・
おれはA社担当。
特殊特性マークは「▽」なんだぜ!
・・・別の日・・・
今日からおれはB社担当に変わったぜ。
なんだこのマーク「㋣」?
見慣れねえマークだけど、
特殊特性マークじゃないな!
だって特殊特性マークは「▽」なんだぜ!
こういった勘違いが発生してしまう懸念があります。
それを防ぐために、サプライヤー側も自社独自のSpecial Characteristics/特殊特性を作る事ができます。
その際は顧客が資料を見た時に特殊特性だと分かるように、顧客用に読み替え表を用意する必要があります。
Special Characteristics/特殊特性は特別な手法で管理する
Special Characteristics/特殊特性に指定されているポイントは、生産するうえで特に気を付けてほしい重要なポイントです。
重要なポイントなので、そのポイントは、特別な方法で管理する必要があります。
その特別な方法を「統計的管理手法」や「SPC」と呼びます。
統計的管理手法、SPCと聞いて頭に「はてなマーク」がポコポコ発生している様子が想像できますが、
初心者がSpecial Characteristics/特殊特性について理解するには、なんとなく「特別な方法で管理するんだな~」という事がわかっていれば十分かと思います。
Special Characteristics/特殊特性に指定されると、
特別な方法で管理しないといけないので、
全く同じ寸法の製品でもSpecial Characteristics/特殊特性が多いと製造コストが上がるという事は覚えておいてください。
まとめ
ここまで分かっていれば、初心者としては十分でしょう。
それぞれの会社ごとのカラーがあると思うので、実際に業務をこなしながら理解を深めていきましょう。
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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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(livechiba.com)